- 大企業で王道の選択肢 → Salesforce
- 初めて導入するなら → HubSpot または Zoho
- 日本の営業文化を重視するなら → Senses
- CRMに加えて業務アプリも作りたいなら → Kintone
CRM導入がなぜ必要か
CRMの導入を検討する背景には、いくつかの共通した課題があります。
- 顧客情報が散在している
メールはOutlook、商談記録はExcel、契約情報は紙、といった状態では、担当者が変わるたびに情報が失われます。 - 営業の属人化
「Aさんが担当している顧客はAさんしか分からない」という状態では、退職や異動のたびに顧客との関係がリセットされてしまいます。 - 売上予測が感覚頼み
勘や経験に基づく予測ではなく、パイプラインのデータをもとに正確に見通すことが求められています。 - 顧客接点の増加
電話やメールだけでなく、ウェビナー、SNS、チャットなど接点は多様化しています。これらを一元管理する仕組みが不可欠です。
こうした課題を解決し、売上拡大や顧客満足度向上につなげるのがCRMです。
大企業の王道:Salesforce
Salesforce は世界で最も有名なCRMです。1999年にアメリカで誕生し、クラウド型CRMの先駆けとして圧倒的なシェアを誇っています。日本でも大企業の多くが導入しており、事実上のデファクトスタンダードになっています。
特徴は「なんでもできる」点です。営業支援(SFA)、マーケティングオートメーション、カスタマーサポート、分析ダッシュボードなど、企業活動のほぼすべてをカバーします。
料金(目安/月額・1ユーザー)
Essentials:約3,000円
Professional:約9,600円
Enterprise:約19,800円
Unlimited:約39,600円
コストを抑えて始める:HubSpotとZoho
HubSpot
HubSpot は無料から始められるのが最大の魅力。基本的な顧客管理や商談管理は無料で利用でき、そこにメールマーケティングや自動化機能を追加する形で拡張できます。UIが直感的で、初めてCRMを触る人でもすぐに馴染める点が魅力です。
料金(HubSpot Sales Hub/月額・1ユーザー)
Free:0円
Starter:約2,160円〜
Professional:約60,000円〜(5ユーザーから)
Enterprise:約180,000円〜(10ユーザーから)
Zoho CRM
Zoho CRM はインド発のグローバルサービスで、コストパフォーマンスの高さに定評があります。月額1,500円程度から使えるプランがあり、カスタマイズ性も高いです。
料金(スタンダードプラン/月額・1ユーザー)
Standard:約1,680円
Professional:約2,760円
Enterprise:約4,800円
Ultimate:約6,960円
日本の営業文化に寄せる:Senses
Senses はユーザベースが提供する国産CRMです。「日本の営業スタイルに合わせた設計」が大きな強みで、導入が急速に進んでいます。
料金(目安/月額・1ユーザー)
Starter:約2,980円
Growth:約5,980円
Enterprise:要問い合わせ
CRM+業務アプリ:Kintone
Kintone はサイボウズが提供する業務アプリ基盤。CRM機能も備えていますが、最大の魅力は「業務アプリを自由に作れる」点です。顧客管理に加え、受注管理や社内業務まで柔軟にシステム化できます。
料金(月額)
ライトコース:858円(1ユーザー)
スタンダードコース:1,650円(1ユーザー)
※最低5ユーザーから利用可能
料金比較まとめ(1ユーザーあたり/月額)
- Salesforce:3,000円〜40,000円(大企業向け)
- HubSpot:無料〜2,000円台で開始可。ただし高機能プランは数十万円単位
- Zoho:1,600円〜7,000円程度(コスパ重視)
- Senses:3,000円〜6,000円(国産+営業特化)
- Kintone:858円〜1,650円(業務アプリ基盤も欲しい企業向け)
AIテレマーケティングとの併用
CRMは顧客情報を蓄積・活用するための基盤ですが、実際に顧客と接点を持ち、商談機会を増やすには「効率的なアプローチ」が欠かせません。そこで注目されているのが、AIテレサポです。
AIによる自動架電(テレアポ)とスクリプト制御で、従来の電話営業に比べて圧倒的に効率的なアプローチを実現。人件費を削減しつつ、1日数千件の発信も可能です。CRMと組み合わせることで、獲得したリードを即座に育成・商談化でき、営業成果を飛躍的に伸ばすことが期待できます。
まとめ
- Salesforceは大企業の王道。万能だがコストも高い。
- HubSpotとZohoは初めてのCRM導入に向く。低コストで始めやすい。
- Sensesは日本の営業現場にフィットしやすい国産ツール。
- KintoneはCRMに加えて社内アプリ基盤としても活用できる。